令和5年度の中小企業診断士2次試験「事例Ⅲ」で、合格点あと一歩の59点を取ることがきました。
翌年は21点アップし合格点を大きく上回る結果にとなりました。
この記事では、事例Ⅲで合格点付近を狙うためにはどんなことを書けばよいかが分かります。翌年の80点の回答と比較することで、そこからのさらに得点を伸ばすためのヒントとなります。
事例Ⅲをさらに強化したい人や「どう書けば点につながるのか?」と悩む方に、少しでもヒントになれば幸いです。
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↓令和5年再現回答
↓令和6年再現回答
結果

59点!
初年度ということもあって、文字はなんとか埋められたこと、与件文を拾いながら論理的に書けているんじゃないかと思ってたので、60点くらいはあるんじゃないかと思ってました。
結果的には合格点を少し下回っていたので、すべての事例でこれくらいの点数を取るのは難しそうで2次試験を受かる気があまりしませんでした。
第1問
【設問】
C 社の生産面の強みを2つ40字以内で述べよ。
【再現回答】
①季節性や高級感のあるメニューの提案力、②前職の経験からくる加工室のレイアウト。
(40字)
【考察】
提案力については点数になっていると思われるが、誰の何の経験か分からない前職の経験という書き方が分かりづらくいまいちだったかも。
第2問
【設問】
C社の製造部では、コロナ禍で受注量が減少した2020年以降の工場稼働の低下に
よる出勤日数調整の影響で、高齢のパート従業員も退職し、最近の増加する受注量の
対応に苦慮している。生産面でどのような対応策が必要なのか、100字以内で述べよ。
【再現回答】
生産計画を月次から週次に変更して修正の発生を減らす、販売先料理長の料理方法などのレシピメモの製品仕様を整理することで作業の標準化を行うことで限られた人数で効率的な生産を行い増加する受注に対応する。(98字)
【考察】
与件文で誘っている、月度生産計画では納品に修正があることや、レシピのメモが整理されていないところは拾えているのはよかった。標準化を書けたのはよかったが、それだけでなくOJTで技術を受け継ぐことや、多能工化で生産性向上なども書けるとなお点数が伸びたのではと考える。
第3問
【設問】
C社では、最近の材料価格高騰の影響が大きく、付加価値が高い製品を販売してい
るものの、収益性の低下が生じている。どのような対応策が必要なのか、120字以内
で述べよ。
【再現回答】
食材や調味料などの入出庫情報を記録する、食材や使用量などの製品仕様を整理して管理をすることで在庫量の削減と機会損失を減らす。また、製品の出来栄えを向上させることで料理長による変更を減らし廃棄を削減することで収益性の向上を図る。(113字)
【考察】
ここも与件文で誘っている食材の入出庫情報をしてない点、在庫量が増えている点、廃棄を減らす点などが書けているのが良かった。
経験値での見積もりを整理ではなく見直しにする、食材や使用量を標準化というのを入れておくとより点数になったと思う。
また在庫管理だけでなく、生産統制の強化についてかけるとより高得点になったと考える。
第4問
【設問】
C社社長は受注量が低迷した数年前から、既存の販売先との関係を一層密接にする
とともに、他のホテルや旅館への販路拡大を図るため、自社企画製品の製造販売を実
現したいと思っていた。また、食品スーパーX社との新規事業でも総菜の商品企画
が必要となっている。創業から受託品の製造に特化してきたC社は、どのように製
品の企画開発を進めるべきなのか、120字以内で述べよ。
【再現回答】
最近採用した人材を中心に、前職の経験を活かして中食需要が求める新商品の開発をする。x社のスーパーで試食を行い、顧客の要望を取り入れた新たな総菜を開発し、X社やホテルや旅館の既存の販売先に提案することにより関係性強化と販売先の拡大をする。(118字)
【考察】
前職の経験を活かすまではよいが、強みである季節感や高級感ある新たなメニューみたいなのを入れればなお良かった。
自社商品開発でよくある顧客ニーズ収集もスーパーだけでなく、既存のホテルや旅館からも収集するようなことを書ければよりよかった。
第5問
【設問】
食品スーパーX社と共同で行っている総菜製品の新規事業について、C社社長は
現在の生産能力では対応が難しいと考えており、工場敷地内に工場を増築し、専用生
産設備を導入し、新規採用者を中心とした生産体制の構築を目指そうとしている。こ
のC社社長の構想について、その妥当性とその理由、またその際の留意点をどのよ
うに助言するか、140字以内で述べよ。
【再現回答】
今後の新規事業の商品や納品の拡大を考えると工場の増築と専用の設備を導入することは妥当である。また、過去の経験を生かした商品開発ができるため新規採用者を中心とした生産体制の構築も妥当である。留意点は、既存設事業と新規事業では納品頻度が異なるので生産管理体制を分けることである。(137字)
【考察】
あまり書くことが思い浮かばなかったため何とか文字数を埋めた回答となった。
書くべきであった今後の納入の拡大を見据えてという点、新規採用者の経験が生かせるというのを書けたのはよかった。
生産能力の向上という点について標準化や、OJT教育で多能工化なども加えることでもう少し点数が伸びたと考える。
まとめ
与件に沿って回答できているところが合格点近くの評価になったと考える。
悪いところ・できてないところに対して手を打ったり、スーパーからのニーズ収集や前職の経験を活かす、今後の拡大を見据えた助言、などが与件から読み取れることを使ってある程度回答ができているのが良かったと考える。
次年度の80点の回答と見比べると、さらなる点数アップのためには与件文から読み取れることに加えて、書いてないことからあと一歩想像して要素を追加することが大事だと考える。
材料の作業の標準化をしたり、そこからOJTにより多能工化をすることで人材育成をすることや、進捗管理・余力管理・納期管理・在庫管理などの生産統制をすることで、生産性向上に結び付けるなどの助言があれば、なおよかったと考える。
↓次年度の再現回答

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